小説「響け!ユーフォニアム」波乱の第二楽章 前・後編を読んで

皆さんご機嫌いかがでしょうか?

今回は小説「響け!ユーフォニアム」波乱の第二楽章 前・後編を読んでというタイトルで書かせていただきます。

 この物語は小説「響け!ユーフォニアム」1~3の続編、アニメ版でいいますと「第二期」からのお話になります。因みに映画「リズと青い鳥」(アニメ)、劇場版「響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」(アニメ)の内容が入っている小説になります。*小説が原作になってます

いわゆる「黄前久美子2学年時代」のお話です。

 正直なところ、私はアニメ版の「リズと青い鳥」、「響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」を先に観ていたのですが、画質、お話の内容は劇場版なので「クオリティー」が高いのです。ですが、いかんせんアニメ「響け!ユーフォニアム」1~2の内容が濃いため(全26話なんですよ!時間にして計約600分)比べると、圧倒的にトータル時間が少ないのです。(劇場版2作合わせても190分)なのでもったいないんですね~このオミットされた時間……もっとみたいです!

 そこで、その欠落した部分のお話が知りたくて買ったのでした。まず、主人公である「黄前久美子」の使い方がうまい!(武田綾乃先生さすがです!)と思いました。彼女はユーフォニアムの奏者なのですが、先輩方に「一年生指導係」や「吹奏楽部のお悩み相談」をおおせつかり、「二年生の中心」となるべく奔走していきます。その姿が「演奏者」だけでなく余計に「黄前久美子人間性」の部分が強調されているのでした。またそれが人間味をおび、引き込まれていきます。

 

 この物語は、ライトノベルにあるような「魔法をつかう、異次元に飛ぶ等」の飛び道具がない、普通の生活から

導きだされたお話なんです。日常生活アニメです。それがこんなにも引き込まれ、興奮し、キャラクター達に陶酔してしまうのか......凄い作品に出合いました。

 私が考えるにこの作品のプラス要因は「セリフが”生きている”」、「一人のキャラクターをきっちり”肉付け”」している事。なにより判りやすい所です。「キャラクター同士を競わせ、戦わせ、悩ませて」掘り下げているからこそ出る「人間臭さ」が際立ち、感情移入してしまうのではないでしょうか。

 「黄前久美子」は真ん中の学年で(2年生)、先輩と後輩に板挟みになりえる状態です。そんな黄前久美子を先輩たちはいい人物として見抜き将来を託そうとします。「将来への布石」を先輩たちは打っていくのでした。この策略をもちいたことにより黄前久美子はその後自分自身を、また吹奏楽部全体を助けられます。この先輩たちの将来を見越した行動が「いいお話」といいますか、良いエピソードなんですね~何と「いい人達」だったことか。中々現実はいませんよ。そんないい先輩たち。羨ましいです!

後輩達も「悩み事」を聞いてもらうことにより「吹奏楽部」が円滑に整っていくこととなります。

響け!ユーフォニアム」の良い所は”お互いの思いを共有”している所だと思うのです。辛い事、苦しい事、泣いた事、大喜びした事。キャラクター自体がしっかり描かれているしキャラクター同士の掛け合いもしっかり描かれている為、思いをぶつけるシーンの部分が余計に感情移入しやすいのではないかと思いました。 この作品を観てると、「よく飛び道具がなくても盛り上がり、完結できてるな」と関心してるところです。

改めて思います、生きることこそ「ドラマ」なのだと……

 

最後に

 

 世の中「コロナ過」で世知辛い世の中になりつつありますが、そんな時代だからこそ、この小説のような「人間臭い」、「元気をもらえる」お話が心に刺さるのではないでしょうか?じっくり読んで楽しんでいただける内容になっております。

是非、ご覧になってください!